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2009年3月

顧客は誰か?

10年ぐらい前にマーケティングのセミナーで聞いた話。
幼稚園を運営するのに誰を顧客として認識するかによって運営方針が変わってきます。。顧客を働く母親とするか?、専業主婦とするか、幼稚園児とするか?あるいは、父親とするか?などなど
ターゲットとする顧客にあわせて園の運営を、
・親の手のかからないように、送り迎えをしたり給食にしたりする
・できるだけ低コストにする代わりに両親に負担をかける(弁当、イベント時の手伝い)
・子供をのびのびと遊ばせる
・子供に勉強を詰め込む
です。
誰を顧客にするかによって、方針が変わってきます。

さて、研究開発に関してです。
顧客を誰に設定するか?
・上司?
・自分?
・開発部門?
・工場部門?
・市場?
いろんな顧客に対して研究開発ができそうです。

皆さんは誰を顧客にしますか?

明日に続きます。(^-^;

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差別化技術の罠

「差別化技術を作れ!」、「差別化が必要だ!」などと社内で聞こえてきませんか?

差別化技術が簡単にできれば苦労しませんよね。
そんなときに「差別化技術=他者/他社と違う」ということにこだわってしまい、違いだけはあるが、筋の悪い技術を選んでしまう場合があります。(そんな、たくさんの例を見てきました)

差別化技術というのは、市場で他社より優位になるような技術を作るという事なのですが、他社と違うということだけにこだわってしまえば、とんでもない技術を選択してしまいます。差別化技術は商品を売るための(買ってもらうための)手段にすぎません。昨日の話同様に手段の目的化にならないようにしなければいけません。

たちが悪いことに、他者/他社がやっていないような技術は、上司が見ると(一般の技術者が見ても)斬新で新しいので、受けがいいのです。そのため、技術開発が行き詰まるまで、方向性の間違いに気付かないようです。

私の考える差別化技術とは、保有技術を極めていったところにあったり、強みの技術の延長線上にあったりするようなモノだと思っています。

今日のポイント
・差別化技術を作るのは容易ではない。
・差別化=他者/他社がやっていないことと考えると間違ってしまう。
・差別化技術の名のものとに筋の悪い技術を選択していないか、よく考える事が必要。
・差別化技術は新しいことが多いので、斬新なため上司への受けがよく進めやすいが、行き詰まるまでブレーキがかからない恐れがある。
・保有技術や強みの技術の延長線上に差別化技術がないかを考えよう。
good

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手段の目的化

研究を進めていて、初期の目的を忘れてしまって、途中から違う目的で進めてしまう事例にでくわすことがあります。特に大企業などで多いのではないでしょうか。

例えば、ある用途のデバイスを開発するのを目的とし、そのためには高い移動度の半導体材料が必要だったとします。その材料の候補の一つとしてダイヤモンド膜があったとします。そうすると、最初はダイヤモンド薄膜を作ることから研究がスタートします。しかしながら、途中から良質なダイヤモンド膜を作るということが目的となってしまい、一生懸命ダイヤモンドを作ることに専念してしまいます。本来ならば、ダイヤモンド膜はデバイスを作るための候補材料の一つであるだけなのですが。さらには、ダイヤモンドを作る方法を目的として研究が始まったりします。

流れ
デバイス開発 → 高い移動度が必要 → ダイヤモンド薄膜がいい → なんとか良質なダイヤモンド薄膜を作ることが目的になる → 作る方法プロセスの検討を始める

基礎研究や論文を書くのが目的であれば問題はないのですが、モノを商品として世に出す必要のある企業であれば、ダイヤモンド薄膜の素性を見極めるところですぐに方向転換するのがいいと思われます。あるいは、目的とするデバイスに高い移動度が必要なのかどうか、他の手法で代替できないかなどを精査するべきだと思います。

このときに始末が悪いパターンとしてあるのが、「ダイヤモンドがいい」とお偉いさんが言った場合、ダイヤモンドを何とか作るというのが目的になってしまいます。そして、本来のデバイスの作製は遠い未来になってしまいます。(私の身近にも同じような例がありました。coldsweats01

手段が目的化しないためには、冷静になって、自身の研究・開発を見直す必要があると思います。(自分の好きな研究だと、研究に没頭して難しいですが・・・。)


今日のポイント
・研究開発においていつの間にか、手段が目的となっていることがある。
・それは大きな組織で動いている場合や、お偉いさんが手段をアドバイスした場合に起こりやすい。
・手段の目的化を避けるためには、
  何のためにやっているか自問自答をする
  本来の目的に立ち返ってみる
  時々自身の研究目的を高い視点から客観的にみる
 などがよいです。

私の場合、研究開発のスタート時点に、計画書(大雑把ですがcoldsweats01)を書きます。そして、時々(半年に一回ぐらい)見直して、計画と比べてどう進んでいるか? ということをチェックします。これによって、目的のブレを修正することができます。good


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開発品のスイッチングコスト

研究開発の時のテーマの選定や進め方、戦略を考える際に、頭に入れて置かなければならない項目として「スイッチングコスト」があります。スイッチングコストという言葉は、マーケティング等に用いられる言葉のようです。(詳しくは検索してみてください。膨大にでてきます。)
前回も記載しましたが、研究開発で新しい技術を開発した場合、その技術が既存のものの置き換えであれば、置き換えには膨大なコストや開発が必要であるということです。このことを開発当初から意識して開発すると、後々が楽になります。私なら、スイッチングコストがかかりそうな研究テーマには近づきませんが・・・。(^-^;

例えばフレキシブルディスプレイというのがあります。方式は様々ですが、液晶や有機ELディスプレイの基板をガラスからプラスチックフィルムにすることで、柔軟性が出てきてフレキシブル性があるというものだとします。この場合は、基板をガラスからプラスチックフィルムにスイッチするわけですが、仮に実験室レベルでとても良いものができたとしても、製造プロセスにおいてはガラスは数百℃のプロセスを通りますが、フィルムはせいぜい150℃ぐらいまでしか耐えられません。そうすると、製造プロセスから開発する必要が出てきて、膨大な時間とコストがかかります。(少しデフォルメして語っているので正確さはかけますがご了承ください)

同じようにトランジスタをSiから酸化物系(透明かつ移動度が高い)にしようという試みもありますが、製造プロセスを開発したり、不純物の影響による他のプロセスへの影響、耐久性の問題などなど たくさんの問題が出てきます。よい結果が出れば出るほど、課題が発生することになります。私の経験では、スイッチングコストを度外視した研究開発には悲劇が待っています。私もさんざん泣いてきました・・・。crying
研究テーマを選ぶときには、ぜひともスイッチングコストということを頭に入れて考えてください。good


本日のポイント
・研究開発初期においてスイッチングコストの概念は重要
・研究レベルでできたものでも、製造するためにはさらなる開発が必要となる場合が多い。
・スイッチングのための手間をできるだけ減らす工夫をしながら研究開発をする必要がある。
・スイッチングコストのかかる研究開発は、国プロや大規模なプロジェクトで進める方がリソースの点からよい。
・スイッチングコストを無視できるぐらい、魅力的な結果があれば、スイッチングコストを考える必要なし。

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新技術のワナ

ある技術(素材)が新しく開発/発表された場合、この技術は**に応用できます、△△にも応用できます、さらに、○○にも応用できます、さらにさらに・・・・。といろんなところに応用できますという話になります。まるで夢の技術(素材)のように語られます。

例えば、カーボンナノチューブだと、ガスの吸蔵、トランジスタ、透明導電膜、フィールドエミッションディスプレイ、配線・・・・、などいろんな応用が期待できます!!!となります。

しかしながら、トランジスタであれば、Siで十分だし、透明導電膜もITO(インジウムと錫の酸化膜)で十分です。ガスの吸蔵も当初より能力が低いようですし・・・。それぞれカーボンナノチューブでのメリットは少しはあるかもしれませんが、商品化への道は遠いと思われます。しかしながら、新しい技術(素材)ということで注目度が高く、多くの大学、企業で開発が進められます。

私自身の経験としては、ダイヤモンドより硬いとシミュレーションにて計算された立方晶窒化炭素(C3N4)という材料を研究した事がありますが、何も成果が得られませんでした・・・。crying

新しい技術で商品化を目指す場合、「その技術でしかできないこと」を考えるべきだと思います。すでに同じ効果の技術がある場合は、新しい技術で従来の技術を置き換えるのに膨大なコストがかかるため、よほどのメリットがないと置き換わりません。

新しい技術に関しては、
大学では是非とも研究を進めて、その技術のスジを見極めて、論文を書いて社会に発表して欲しいです。
一方で、企業の研究開発においては、よほどのメリットがない限り、近づかない方が安全だと思います。技術のスジと開発期間を正確に見ることができれば、手を出してもいいと思いますが、なかなか難しいです。その場合、大学や国の研究所などと連携して技術のスジを見極めるのが、良いと考えています。飛びつく前によく考えましょう。good

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アイデア関係の常識(ランチェスターの戦略より)

アイデア関係の常識という項目で以下のことが述べられている。(ランチェスター思考p48より)

①アイデアを形にするには様々な障害を乗り越えなければならない。
②簡単に実現できるアイデアは、簡単に真似される。
③新商品は、独創的であればあるほど、売るのが難しい。
④新商品がヒットすれば、類似商品が続々と出現し、競争がはじまる。
⑤新しいアイデアや技術、ノウハウで、まねられないものはめったにない。
⑥特許申請は、技術やノウハウを詳細にさらすため、裏目に出ることが多い。

これらに関して、研究開発の現場の視点から考えてみました。

①に関しては、まさにその通りだと思います。研究がうまくいったとしても、製造の過程で様々な課題が出てきます。もうひとつ気になる点として、一般的に研究者は商品化に関しての、「研究はやるけど、商品化は誰かがやってくれるだろう!」というような意識を持っている場合が多いです。そのため、障害がのりきれなくて挫折する場合があります。研究者が初期段階から商品化をイメージしてスタートする(障害を予想して想定される障害を避ける方向で研究をする)必要があると思います。

②に関してもその通りです。

③に関して異論はありませんが、研究テーマの選定から考えると、独創的な技術でも従来の置き換えが可能なものや従来のものの性能アップであれば、売ること難がなく、経営に貢献する研究開発ができると思います。例えば中村修二さんのGaN(青色LED)は、材料が新規で、作り方が独創的であるのだが、従来の赤色などの置き換えで商品ができてしまうので比較的売るのは容易だと思いました。私が以前開発したモノは従来のデバイスに一つだけ部品を増やすことで、性能がアップするというものでしたので、売り方は容易だと思います。

④、⑤に関しても異論はありません。前出の青色LEDでも日亜化学以外のメーカーも参入してきて(特許のライセンスはあるものの)競争状態になっています。

⑥に関しては少し異論があります。特許申請において技術やノウハウを全てさらけ出さずに、特許として最小限の必要な情報だけだしておけば真似される可能性は減ります。また、大企業の場合は一つのアイデアに対して膨大な数の特許を申請しますから、かなりの部分が保護されます。
しかしながら、たくさんの数の特許を出すことができないベンチャーや中小企業はどうすればよいかというと、(1)大企業と組む、(2)特許そのものを売るというのがいいと思っています。(1)は痛くないハリの岡野さんが述べられていました。(2)は米国のベンチャーなどは基本特許を高値で売って、利益を上げています。そのため特許の価値を最大限にあげるという戦略をとっています。

アイデアを研究にて具現化し、商品まで持っていくためには膨大な時間とコストと労力が必要となる場合が多いです。そのため、研究開発者はこれらのことを認識して、時間とコストがかからないようなスジのよいアイデアを出す必要があると思っています。そのためにも、テーマの選定とどこにフォーカスするかということが重要になってきます。これはまさにランチェスターの戦略です。

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奥義一の二:「辛いこと」から考える

アイデアの出し方/ネタの見つけ方の2回目です。
今回は辛いことから考えるです。

例えば

・坂道を登るのが辛い
・リュックサックを背負うときに肩が痛い
・立ちっぱなしの電車通勤
・二日酔い

↑辛いことがオヤジっぽいですね~coldsweats01

などです。少し肉体的な辛さの例になってしまいましたが、精神的な辛いものもたくさんあります。

リュックサックを背負うときに肩が痛いということに関して、テーマを考えて見ます。

 肩に注目した場合解決する方法として
  ・肩が痛いのを治す湿布薬や治療器
  ・肩の動きを制限して保護するシャツや服
  ・肩の痛みをとる運動や体操
 などが考えられます。

 一方で、リュックサックに注目すると
  ・肩が痛くなく背負えるリュックサック
  ・背負わなくてよいリュックサック
 などが考えられます。

 さらに、肩とリュックサックを合わせて、背負うと肩の痛みが治るリュックサック というのもあるかもしれません。

このように背負えば背負うほど、肩の血行がよくなって、痛みが取れていくという、リュックサックがあると面白いのではないでしょうか。

ここでは、テーマの決め方を説明するにとどめますが、上記のような血行がよくなるリュックサックを作ろうと思えば、血行がよくなるようなシステムをリュックに取り入れればよいという具体化策がイメージできます。

また、前述したように、血行をどうやってよくするかは、わかる人に聞いたり、インターネットで調べればわかると思います。

このようにより具体化して、発明やビジネスのネタにします。

また、アイデア創出は、いつかに続く (^-^;

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技術士2次試験合格おめでとうございました。

技術士2次試験に合格された方、おめでとうございました。技術者としてプロとして自信を持って当たらな気持ちで頑張ってください。

私も昨年のこの時期に合格発表をネットで見てガッツポーズをしたのを憶えています。その時はアメリカ長期出張中だったので、技術士の登録は4月末に行いました。特に仕事で何か変わった事がある訳ではないのですが、すくならからず技術者としての自信がついたように思います。
技術士関係の会合に出席すると年配の方が多いので、若いというだけでいろいろ可愛がられます。特にいい事がある訳ではないのですが....、先輩の仕事術や経歴がと自分の将来を考える上でとても参考になっています。また大学の先生と話をする機会が増えました。すぐにはなにもないのですが、技術的に方向性が合えば一緒にお仕事ができるかもしれません。


合格した時の気持ちを忘れずに、技術者として自己研鑽していきたいと思っています。

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100ページのプレゼンよりも1つのデータ

モノ作りの現場において、社内を見渡すとPCに向かって常に何かしているお偉いさん(課長や部長)はいないですか? 私の身近にはいます(キッパリ)。pout
いつも何かしらの資料を作っています。そして、その資料はさらにトップに報告するための資料なのですが、中身がないために役に立ちません。そのプレゼンを聞かされるトップもかわいそうです。
モノづくりを進めている我々は、パワーポイントできれいな資料を作るよりも、一つの信頼性のあるデータの方が価値があります。さらには、事実としてのモノの方が重要です。
前出のお偉いさんは、モノや事実を成果としているのではなく、トップに受け入れられることを成果としているために、資料づくりに命をかけているのだと思います。
少なくともモノづくりをして、現実の世界に生きている私は、100ページの中身のないプレゼン資料よりも1つのデータを大事にしたいです。

あっ!前出のお偉いさんのことを、「パワーポインター」そして、そのプレゼンの事を「パワーポッターと炎のプレゼン」と言います。

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研究開発の競争戦略

研究開発において、流行のテーマというのがあります。
私の専門に近いところだと、
・超電導
・ダイアモンド薄膜
・カーボンナノチューブ/フラーレン
・ホログラム
・垂直磁気記録材料
・熱電材料
といったところです。
いずれも、聞いた事があるような技術だと思います。実用化しているものもありますが、比較的大きなブームのわりには、十分に成果(大きな市場がまだできていない)が出ていないような気がします。これらの研究は、参入している企業や大学、研究者は多いのですが、成果が上がるまでに時間がかかります。そのため、企業でやる研究としてはIOが低く、続けていくのが難しいです。
いずれも、流行っている時は最新のテーマであり、進めている自分が誇らしいのですが、競合も多くなかなか成果が上がりません。例えばカーボンに強みを持つ人(企業)がナノチューブに参入するのであればいいのですが、異分野からの挑戦だと厳しいものがあります。(何か強い技術や確信があれば別です)
私も若い頃は、上記のテーマを進めていた事がありますが、実力不足のため大きな成果を上げる事ができませんでした。その後は、自分の強みの技術を使える分野、あるいは異分野に自分の技術を入れ込む事で成果(商品化)ができるようになりました。前回の記事と同じように研究開発においてもニッチ戦略です。good


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