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アイデア関係の常識(ランチェスターの戦略より)

アイデア関係の常識という項目で以下のことが述べられている。(ランチェスター思考p48より)

①アイデアを形にするには様々な障害を乗り越えなければならない。
②簡単に実現できるアイデアは、簡単に真似される。
③新商品は、独創的であればあるほど、売るのが難しい。
④新商品がヒットすれば、類似商品が続々と出現し、競争がはじまる。
⑤新しいアイデアや技術、ノウハウで、まねられないものはめったにない。
⑥特許申請は、技術やノウハウを詳細にさらすため、裏目に出ることが多い。

これらに関して、研究開発の現場の視点から考えてみました。

①に関しては、まさにその通りだと思います。研究がうまくいったとしても、製造の過程で様々な課題が出てきます。もうひとつ気になる点として、一般的に研究者は商品化に関しての、「研究はやるけど、商品化は誰かがやってくれるだろう!」というような意識を持っている場合が多いです。そのため、障害がのりきれなくて挫折する場合があります。研究者が初期段階から商品化をイメージしてスタートする(障害を予想して想定される障害を避ける方向で研究をする)必要があると思います。

②に関してもその通りです。

③に関して異論はありませんが、研究テーマの選定から考えると、独創的な技術でも従来の置き換えが可能なものや従来のものの性能アップであれば、売ること難がなく、経営に貢献する研究開発ができると思います。例えば中村修二さんのGaN(青色LED)は、材料が新規で、作り方が独創的であるのだが、従来の赤色などの置き換えで商品ができてしまうので比較的売るのは容易だと思いました。私が以前開発したモノは従来のデバイスに一つだけ部品を増やすことで、性能がアップするというものでしたので、売り方は容易だと思います。

④、⑤に関しても異論はありません。前出の青色LEDでも日亜化学以外のメーカーも参入してきて(特許のライセンスはあるものの)競争状態になっています。

⑥に関しては少し異論があります。特許申請において技術やノウハウを全てさらけ出さずに、特許として最小限の必要な情報だけだしておけば真似される可能性は減ります。また、大企業の場合は一つのアイデアに対して膨大な数の特許を申請しますから、かなりの部分が保護されます。
しかしながら、たくさんの数の特許を出すことができないベンチャーや中小企業はどうすればよいかというと、(1)大企業と組む、(2)特許そのものを売るというのがいいと思っています。(1)は痛くないハリの岡野さんが述べられていました。(2)は米国のベンチャーなどは基本特許を高値で売って、利益を上げています。そのため特許の価値を最大限にあげるという戦略をとっています。

アイデアを研究にて具現化し、商品まで持っていくためには膨大な時間とコストと労力が必要となる場合が多いです。そのため、研究開発者はこれらのことを認識して、時間とコストがかからないようなスジのよいアイデアを出す必要があると思っています。そのためにも、テーマの選定とどこにフォーカスするかということが重要になってきます。これはまさにランチェスターの戦略です。

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