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手段の目的化

研究を進めていて、初期の目的を忘れてしまって、途中から違う目的で進めてしまう事例にでくわすことがあります。特に大企業などで多いのではないでしょうか。

例えば、ある用途のデバイスを開発するのを目的とし、そのためには高い移動度の半導体材料が必要だったとします。その材料の候補の一つとしてダイヤモンド膜があったとします。そうすると、最初はダイヤモンド薄膜を作ることから研究がスタートします。しかしながら、途中から良質なダイヤモンド膜を作るということが目的となってしまい、一生懸命ダイヤモンドを作ることに専念してしまいます。本来ならば、ダイヤモンド膜はデバイスを作るための候補材料の一つであるだけなのですが。さらには、ダイヤモンドを作る方法を目的として研究が始まったりします。

流れ
デバイス開発 → 高い移動度が必要 → ダイヤモンド薄膜がいい → なんとか良質なダイヤモンド薄膜を作ることが目的になる → 作る方法プロセスの検討を始める

基礎研究や論文を書くのが目的であれば問題はないのですが、モノを商品として世に出す必要のある企業であれば、ダイヤモンド薄膜の素性を見極めるところですぐに方向転換するのがいいと思われます。あるいは、目的とするデバイスに高い移動度が必要なのかどうか、他の手法で代替できないかなどを精査するべきだと思います。

このときに始末が悪いパターンとしてあるのが、「ダイヤモンドがいい」とお偉いさんが言った場合、ダイヤモンドを何とか作るというのが目的になってしまいます。そして、本来のデバイスの作製は遠い未来になってしまいます。(私の身近にも同じような例がありました。coldsweats01

手段が目的化しないためには、冷静になって、自身の研究・開発を見直す必要があると思います。(自分の好きな研究だと、研究に没頭して難しいですが・・・。)


今日のポイント
・研究開発においていつの間にか、手段が目的となっていることがある。
・それは大きな組織で動いている場合や、お偉いさんが手段をアドバイスした場合に起こりやすい。
・手段の目的化を避けるためには、
  何のためにやっているか自問自答をする
  本来の目的に立ち返ってみる
  時々自身の研究目的を高い視点から客観的にみる
 などがよいです。

私の場合、研究開発のスタート時点に、計画書(大雑把ですがcoldsweats01)を書きます。そして、時々(半年に一回ぐらい)見直して、計画と比べてどう進んでいるか? ということをチェックします。これによって、目的のブレを修正することができます。good


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