« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »

2009年7月

研究・開発の流れ

私の行っている技術分野では以下のような流れで商品化されます。

材料研究

プロセス研究(材料を作るための製造技術)

デバイス化研究/開発(材料をデバイス化してそれなりの形にする)

システム化研究/開発(他の部分と組み合わせて一つの商品としてくみ上げる)

こんな感じです。
例をあげると、新しい透明導電材料の研究開発 → それを作るためのプロセス研究 → それを用いた液晶素子の開発 → その液晶素子を用いたディスプレイ のような流れです。

材料研究から商品が出るまで10年ぐらいかかります。私の経験で短いのものは、まったく新しい材料の開発をスタートしてから4年でした。気の遠くなるような時間がかかります。

私の専門は材料とそれを作るプロセスの開発です。しかし、デバイスやシステムのイメージがないと、初期の段階から間違った方向に研究を進めてしまいます。
以前、ブログで書いた「石ころからネックレスが想像できるか?」ということが重要となってきます。

基礎研究とはいえ、最終製品のイメージを持って研究開発することが、間違いの少ない(寄道しなくていい)研究開発になります。また、イメージを持つことで、課題が明らかになり、研究の立ち位置がわかります。場合によっては全く別の商品につながる場合もありますが、イメージを持つことで別のイメージが膨らむこともあるのです。

工学系の研究開発は比較的上記のような考えで進めやすいのですが、理学系の場合もできるだけ広い出口のイメージを持ち、さらに具体化して研究することがいいのではと私は思います。sign03

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

リストラ

愚痴というか、ぼやきというか、毒舌というか・・・。

私の勤める会社でもリストラ(早期退職希望)があります。
ある年齢以上の人が、割増しの退職金をもらい、会社都合で退職できるというものです。

経営サイドはあらかじめ、ある程度の希望退職の人数を決めているため、「希望」とはいえ、辞めてほしい人には、何度となく退職を勧める面接があるようです。形上は「希望退職」なのですが、希望退職に応じない場合は、どんな仕事になるか保証はされないようです。

研究所の場合、優秀な人でも、研究テーマが会社の方針とマッチしていない場合や、研究テーマがつぶれてしまった場合には、退職を勧められるような印象です。

確かに、ある程度優秀な人であれば、会社にこだわらず、研究テーマにこだわって会社を選ぶのはいいことだと思います。・・・・・しかし、この不況下、なかなか新しい仕事も決まらないようです。

私自身は幸いにして、複数の研究テーマで商品化までこぎつけている数少ない例なので、退職の勧めはありませんが、今のテーマが商品化した後は、どうなるかわかりません。(まあ、以前は個人でやっていたので、リストラされても大丈夫なだけの準備はしていますが) 

私自身、もっと大きなテーマを立ち上げて、たくさんの人に仕事を与えられるぐらい力があればなと思います。無力感も感じます。

・・・・・・それにしても、退職を勧めている人たちの中には、上にヘラヘラしたヒラメのような、最も軽蔑すべき人たちもいます。その人たちは、研究所の雰囲気をぶち壊し、よい研究テーマをつぶし、変な研究テーマを立ち上げ・・・・・。本来はそのような人がまっ先にやめるべきですが・・・・。
さらには、部下に仕事を作れないような上司は、部下を持つべきではないと思います。


突然には大きなことはできませんが、少しずつ成果をあげて、社会に貢献したいですね。

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

太陽電池製造装置メーカー売上高

太陽電池製造のための装置の売り上げ高ランキングが出ていました。
テックオン:http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090714/172962/?ST=silicon
元資料:PDF資料

太陽電池製造に関しては、最近は装置メーカーがガラス投入から出来上がりまでのラインで装置を販売しているのが特徴です。一昔前までだと、それぞれのプロセスの装置に各社(装置メーカーも製造メーカーも)の特徴があったのですが、装置さえ購入するれば、ある程度の性能のものができてしまうようです。すなわち、お金さえあれば、太陽電池ビジネスに参入できて、コストや売り方で差別化するというビジネスになってきています。

Photo日本のメーカーはULVAC社だけなのが残念です。日本は80年代から90年代に一生懸命太陽電池の研究を進めていたはずなのですが、特許等で守り切れなかったのか?という気がします。半導体につづいて太陽電池も海外のメーカーにやられるのは悔しいです。

次世代といわれているCIGS系は是非ともがんばって欲しいです。

2位のOerlikon社は数年前にスイスの研究所に訪問した時に、これからは太陽電池に力を入れていくと言っていましたので、まさに時流にうまく乗ったなという気がします。余談ですが、その時に実はある技術を教えてくれないかと言われたのですが、当時は会社の関係上断ってしまったのですが、今思えばスイス生活もよかったかなと、少し後悔しています。まぁドイツ語も英語も全くダメなので、役に立てなかったような気がしますが・・・。
Oelikonの北米の営業のトップの方は、数百億円(ドルの換算ですが)規模の商談があるとおっしゃっていました。なんともすごい世界です。

オバマ大統領の政策もあるので、数年は太陽電池バブルが続くと思われます。
しかしながら、研究者はバブルに踊らず、地に足をつけた研究開発を進めてもらいたいです。

がんばれニッポン!  good

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

MEMS関連市場伸びるとの予想

富士キメラ総研は,MEMSデバイスとMEMS製造装置,ナノ・マテリアルの世界市場調査を行った。それによると,これら三つを合わせた市場が2013年に2008年比54.3%増の8864億円,2019年には2008年の約2.7倍の1兆6000億円に拡大するという。2008年の同市場の規模は5741億円であった。

ソース:テックオンhttp://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20090707/172683/?ST=MEMS
(たぶん記事を全部読むにはテックオンへの登録が必要です)


MEMSは半導体技術を応用したマイクロマシンなので、アイデア次第で様々な用途が広がると私は見ています。私自身、MEMS関連の研究者であるので、よいアイデアを出して一攫千金を狙っています。bleah

企業の中で行うMEMS研究の難しいところは、加工用の装置が高価なものが多く、自社で持つことが難しいことです。そのため、私は外部のファウンドリを利用しています。すべて自前でそろえると膨大な研究費がかかります。装置の固定費もばかになりませんし・・・。

企業でMEMS関連の研究者のやるべきことは、MEMSで何をするか? その機能を実現するためにどのような設計で行うか? プロセスはどうするか? などの頭を使って考えることです。さらに、アイデア勝負そして、必要ならそれに適した材料を開発する必要があります。装置メーカーであれば装置開発というのもあるでしょうが、通常は世代の古い半導体装置をちょっとだけカスタマイズして使います。
アイデアが出て作るものが決まってしまえば、ファウンドリに作ってもらって、評価して、・・・・。

MEMS関連の開発はこれまでの研究開発の進め方と異なっています。そのため研究企画をビジネスから考えて進める必要があると思っています。現在、MEMSビジネスの企画書を書いていますが、従来の発想では難しいなと思っている今日この頃です。good


人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

この時期の勉強方法(技術士)

試験までヶ月を切りましたが、勉強は進んでいるでしょうか?
はっきり言って、この1ヶ月が勝負だと思います。
以前記述しましたので参考にしてください。
http://pro-engineer.cocolog-nifty.com/blog/2008/12/post-fabd.html

キーワードを憶えるのと、キーワードから文章を作成する練習を繰り返します。よくPCで文章を作成している人がいますが、できるだけ手書きをするのがよいと思います。
太めのシャーペンを用い(ちょっと高めの500円ぐらいのやつ)、何度も書く練習をして手にマメを作り、手の筋肉を鍛えます。←結構重要だと思います。
文章を書くのは、小学生用の国語のノートを用いマス目を実際の試験に合わせます。

健闘を祈ります!!good


人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

いいかげんにしろよ~!!!

愚痴&文句です。

半年前から開発に問題を抱えていたのですが、先週とても凄いアイデアがでてきました。
私は材料屋なのですが、材料と若干のプロセスの工夫、そして駆動方法の工夫で、これまで悩んでいたことが一気に解決するというすごいものです。しかも、小変更で済み、技術のスジとしてよいものです。

原理的にいけそうなので、早速ミーティングにて発表しました。すると、

「それができていれば苦労しないよ」
「そのアイデアは昔からあるのだけど、回路的に難しいよね」
「できても、いろいろ問題があって使えないのではないの?」
「昔やったけど、だめだった」

などなど、ネガティブな意見のオンパレード!!!!!angry

今週、急いで検証してみました。
すると、あっさり問題がクリアされました!!!good
今回は材料が特殊なのとやり方が従来と全く違う方法なのでうまくいったようです。
原理は確認できたのであとは開発品に組み込んで検証する予定です。

否定する人たちには、いいかげんにしろと言いたいですね。 annoy

彼らの目的は、新しい技術が入ると困る(古い技術をやっている)ので、立場としてはわからないでもないのですが、自分は知っていたけど・・・。というスタンスはどうも。punch

皆さんの周りにもいませんか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日刊工業新聞に記事を書きました

ずいぶん前なのですが、日刊工業新聞に記事を書きました。


記事はクリックしてみてください。↓

Photo_3

人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

新人(研修)のときの課題3

まるで探偵のように調べていきました。
・担当者からのヒアリング
  →原因はよくわからないが、時々黒い煙が出る
  →ある特定の材料を吸着したときに発生するらしい。(確かではない)
・黒い煙の成分を分析
  →炭素が主でした
・煙の成分中の粒径分析
  →粒度の小さい成分でした
そして、いよいよ怪しいと言われている材料をたっぷり吸着した活性炭を処理してみました

結果として、全く黒い煙がでませんでした。???????

担当者の証言は正しくないという事がわかりました。

それでは、何が原因で黒い煙が出るのでしょうか?
黒い煙(活性炭の成分だと思われる)が出る理由を活性炭処理装置の原理から考える事にしました。
活性炭に吸着した有機材料の成分を燃やすために、賦活という工程があります。この工程で有機物を燃やして、活性炭の一部も燃やしながら活性炭を再生します。
この工程が怪しいと考えました。この工程では燃料と空気の比をコントロールする事が出来ます。いつもは決まった値になるように、装置にメモリが打ってあるのですが、わざといろいろ変えて実験をしてみました。

決局、空気の量を絞ると、活性炭の微粉成分が燃えきらずに、煙突から煙として出てきているという事がわかりました。good どうやら現場の一部の方々は、空気の量を増やすと活性炭が燃えてしまうので再生される活性炭の量が減ってしまうと考えて空気の量を減らしたようでした。

研修中の数ヶ月だったのですが、見事に課題を解決できて小さな成功体験になりました。

このとき学んだ事は、
・人の言う事は100%信じない。自分で納得しながら考える。
・事実の積み重ねで答えを見つける
・原理原則から考える

ということです。この時の経験は今でも役に立っています。


人気ブログランキングへ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年6月 | トップページ | 2009年8月 »