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材料研究の方向性2 (絨毯爆撃)

材料開発をどう進めるか?ということに関して、「理論的に設計して・・・・」ということもありますが、なかなかうまくいかないのが実情です。特に企業での開発の場合、時間との勝負ですのでできるだけ最短の工数で最大限の効果を上げたいと思います。

私のお勧めのやり方は「コンビナトリアル」です。コンビナトリアルとは組み合わせによる合成(生成)方法です。私の場合は、無機材料の開発なので、組成を振るのに、成長温度を振るのに、コンビナトリアル手法を用いています。これを用いると、例えば20種類の組成の材料を作るのにこれまでは1か月かかったところが、たったの1日でできてしまいます。さらに、いいことに1回の実験ですべての組成の成長ができるので、バッチごとの再現性の問題は全くありません!

このようなやり方は、東工大や東北大で積極的に進められています。
http://www.fcrc.titech.ac.jp/material-1/pdf/0405-17koinuma.pdf
http://www.kawasaki.imr.tohoku.ac.jp/

正当な(格調の高い?)コンビナトリアル法とまではいかなくても、材料をつくるときの成長温度にグラディエーションをつけて成長させると、温度依存性が得られたりします。私の場合だと、6インチウエハを加熱して膜付けをするときに、ウエハを加熱ヒーターに対して斜めに設置したりします。そうすると、加熱ヒーターから浮いているところは基板温度が少し下がります。このようなやりか手で進めれば、一度の実験で異なる基板温度で実験をすることができます。

実験を行う前にいかに効率よくやるか?ということを考えて、工夫して進めるというのが重要だと思います。そのために準備をしっかりやって、実験に臨む。(当たり前のことですが)

私が、コンビナトリアル手法が好きな理由は、人の(自分の)無力なところを方法で補ってくるれるところです。新材料の開発というものはなかなか理論通りにいかず、無力感を感じることがあります。そのためバッチ式で1つずつモノを作っていると、新材料の開発は偶然できればラッキーということになってしまいます。しかも一生をかけてもできる実験回数は限られている。しかしながら、コンビナトリアルはそのための偶然の確率を飛躍的に増やしてくれるます。

コンビナトリアル法は、バッチ式でなれた人には慣れるまでに時間がかかるように思います。しかしながら、面白い方法なので、概念だけでも取り入れて材料開発の確立を上げていってはどうでしょうか?good

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