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2009年11月

科学技術のすそ野と行政刷新会議事業仕分け対象事業に対する意見

政府の行政刷新会議は事業仕分けにて、「スーパーコンピューター」「バイオ関連」「海洋研究開発」など、将来の日本の競争力を左右する部分について、ばっさりと予算削減されています。連日、テレビや新聞がこの話題を取り上げています。

製造業で働く研究者として、基礎研究を進める博士(工学)として、国の科学技術をリードする技術士(応用理学)として考えてみました。いずれの立場にたっても予算削減には反対です。

一般的に、企業の基礎研究部門が研究しているテーマがすぐに、そのまま事業化される確率はほとんどありません。今回の行政刷新会議のコンセプトである無駄を排除するという点から考えると、企業の場合は基礎研究をすべて止めなければなりません。しかしながら、研究費の大きな削減はありません。理由は、日本の未来を支えるのは技術革新であると経営者が考えているからです。

大学などで進めている基礎研究はすぐには利益を生み出しません。大学発のベンチャーというのもありますが稀です。しかしながら、進めている研究の中から新たな発見があり、気づきがあり、学会発表等で議論されながら、それらがスパイラル的に進化していきます。私の経験だと、学生時代にブームになった超電導の技術は、その製造方法や製膜方法の進歩が、新しい別の材料を生み、新しい半導体装置を生み、技術のすそ野を広げていいています。現在、国をあげて進めている太陽電池研究に関しても、コンピューターのシミュレーションが生きてくるはずですし、短期的には無駄に思えても長期的には大きなメリットがあるというのが基礎研究だと思います。

ご存じのとおり日本は資源がない国です。しかしながら科学技術とそれを支える人材は世界に誇れます。しかし技術の分野も世界各国で日々競争されています。この部分で後れを取ってしまえば、日本に残される資源は何になるのでしょう? 金融?、農業? なんになるのでしょう?

今回の科学技術に対する行政刷新会議事業仕分けの対応は、短期的な利益を確保するために、本来やらなければならない長期的な投資を削っているような気がしてなりません。
当然、科学技術に対しても無駄なものは削減しなければならないと思っています。

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専門家の言い訳と研究者のやるべきこと

思わずうなずいてしまう専門家の予測が間違った時の七つの言い訳
(評論家も同じような人種ですね)

(1)予測の前提とした条件が変わった
(2)予想外の事態が起こった
(3)ほとんど紙一重で間違った
(4)今回は予測した通りにはならなかったが、予測の基本は間違っていない。いつかはそうなる。
(5)そもそも***問題は複雑で簡単に予測がつかない。
(6)良い間違いだった。(例:ロシアを過小評価するよりも過大評価する方がまだましだ。)
(7)確率の低いことが奇跡的に起こった。

「なぜ新しい戦略はいつも行き詰るのか?」清水勝彦著 より

研究開発の現場でも、あるべき未来を予測して研究を始めますが、予想がはずれることはよくあります。正確にはほとんどはずれます。上記のような言葉を述べられる方も多々いらっしゃいます。
よく聞く言葉なので、共感してしまいました・・・。(*^.^*)


一方で、研究開発で成果を上げるには、正確な未来の予測が必要なのではなく、未来を作るほどの意気込みが必要です。すなわち、未来の予測をして、その未来に自分の技術があればどうなるか?、さらには予測した未来に足りない技術を作る、というような意気込みです。
特に基礎研究を進めている人は、未来を自分の手で作ることができる立場であることに誇りを持って研究を進めてほしいです。good

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技術士2次試験 面接当日の過ごし方(私の場合)

技術士2次試験の面接当日の過ごし方が、「技術士受験を応援するページ」の掲示板にて議論されていましたので、私の場合を思い出して書いてみます。(記憶が曖昧なところがあるので細部は間違っているかもしれません)

受験日時:3年前の12月(平日)、16時ぐらいから
場所:フォーラム8

私の場合は、東京には比較的短時間で行けるので、当日の朝に家を出発しました。
12時頃:東京駅で昼食
13時頃:現場の確認
13時すぎ〜15時頃:フォーラム8の近くのファミリーレストランでコーヒーとクッキーを食べながら、頭の中で質問を想定しながら応える練習。
15時頃:フォーラム8に移動、待合室で最後の練習。特に暗記が必要なものに注力
16時〜:試験
16時35分:試験終了

こんな感じでした。
ファミリーレストランは歩いて5分ぐらいのところにありましたが、周囲がうるさいので気になる方は集中できないかもしれません。

余談ですが、試験の数日前からドコサヘキサエン酸(DHA)を含むのサプリメントを飲んでいました。気のせいかもしれませんが、これを飲むと頭の回転としゃべるときの舌が滑らかになるような気がしています。(*^-^)

健闘を祈ります!


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本日の記事「園芸用ばさみ磁石で楽々」 の特許を調べる

本日の日経に面白いアイデアの商品が紹介されていました。

「若狭屋、園芸用ばさみ磁石で楽々 バネ製の4割の力で」
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20091110c3b1004q10.html

記事の概要は以下のとおりです。
開閉に磁力を利用する剪定(せんてい)ばさみを開発した。金属バネを使う従来商品の約4割の力で、細い枝や草花を切ることができる。農家の高齢化に対応し、作業負担を小さくした。農業協同組合(JA)や専門店に売り込み、3年後に年間8億円の売り上げを目指す。

ハイテクを用いているわけではないのですが、面白いアイデアのようです。ちょっと詳細がわからないので、特許を調べてみました。
特許は、特許庁のHPの電子図書館(http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl)というところから調べることができます。
今回の場合、「特許・実用新案検索」をクリックして「公報テキスト検索」というのを選択します。検索項目として、「出願人/権利者」というのを選択し、記事にある「若狭屋」というのを入力手検索します。そうすると4件ヒットし、関係ありそうな特許として「再表2005/060732 」というのが出てきます。

この特許をみると、磁石の力によって剪定ばさみの開閉のアシストをするのが図面付きで見ることができます。
ハイテクではないのですが、このような発明は私は大好きです。是非とも市場で成功してほしいと思います。

このように、新しい技術情報が出た時などは、特許を調べてその技術の詳細を理解することができます。簡単に調べることができるのでとても便利です。
特許を調べたことがないという方は、是非とも一度調べてみてください!good


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ディスプレイの光源 ~ランプからLED、レーザーへ~

以前に緑色レーザーを紹介したことありますが、ディスプレイ用の光源としてみたときに、レーザーというのは魅力的です。応用物理学会誌(2009.11)に次世代ディスプレイのためのレーザー・LEDとうのが特集されていました。特に大阪大学の山本和久先生の報告(p.1021~1028)がよくまとまっています。興味のあるところを紹介します。

光源の種類からみると以下のようになります。

第一世代:電子線(CRT)、放電+蛍光(PDP、LCD)、水銀ランプ(プロジェクター)
PDPはプラズマの色を蛍光体で着色しています。LCDは蛍光灯で光ったものを液晶のカラーフィルター付きのシャッターで表示しています。プロジェクターは小型で超高輝度のランプを液晶やDLPなどで光制御して投影しています。

第二世代:LED
LEDを持ちたものとしては、プロジェクター、有機EL、LEDを光源に用いたLCDです。
LED光源を用いたLCDはTVとして最近さかんに売り出されています。現代の世代はこの第二世代が市場に出回り始めているという段階です。

第三世代:レーザー
次世代としてレーザー光源を用いたディスプレイが市場に出るはずです。方式としては、プロジェクター、レーザーLCDです。

それぞれの世代では色の再現性が進化していきます。色再現性はNTSCという規格で表されます。第一世代:70%、第二世代:100%、第三世代:130%となり、広い色再現性のある画像を実現できます。

レーザーディスプレイの応用商品として
リアプロジェクションTV、フロントプロジェクタ、液晶TV(バックライト)、ヘッドアップディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ、照明、レーザーグラフィックアート などだそうです。

私は最も注目するのはプロジェクションです。プロジェクションは、光源、光シャッター、光学系の組み合わせで画像を表示します。光源と光シャッター部(たとえばLCOS,LCD,DLP)は小型化でき、光学系で画像を大きく引き伸ばすことができるので、効率のよい表示方法だと思っています。実際に消費電力の点では同一サイズのLCDやPDPの数分の1で済むそうです。


昨年、三菱電機が北米向けにレーザーを用いたリアプロTVを販売しました。http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/15/news100.html
最近あまり噂をきかないのですが、アマゾンのUSには載っているのでまだ売っているようです。


レーザー光源を応用した商品がどんどん出てくることを期待しています。good

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藤沢武夫さんの本「松明は自分の手で」

最近、名経営者といわれる方の本にはまっています。松下幸之助さん、盛田昭夫さん、井深大さん、本田宗一郎さん、稲盛和夫さんetc。
本田さんは出身が技術屋ですので、おこがましくも私自身の経験と重ねて納得する部分が多いです。ふと、本田さんと二人三脚でホンダを作ってこられた藤沢さんのことをより知りたくなりました。最近、新書として昭和49年に出版されたものが一部改正されて出版されていました。

松明(たいまつ)は自分の手で (新書)
藤沢 武夫 (著)
出版社: PHP研究所 (2009/3/24)

本の帯には「たとえ小さい松明であろうと、ホンダは自分でつくった松明を自分の手で掲げて、前の人たちには関係なく好きな道を歩んでいく企業とする」とあります。町工場を世界のホンダにした基礎となる理念だと思います

中身は、とても読みやすく、経験と体験をもとに書かれており、手に汗握る危機感や、涙の出るよなエピソード、そして奥深い名言がちりばめられています。藤沢さんのメッセージが直接伝わってくるようで目頭が熱くなります。

これらのメッセージを一つでも多く学んで、発展させて社会の役に立てることで、藤沢さんへ恩返ししたいと思います。藤沢さんに感謝です。

お勧めの本です。


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