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科学技術のすそ野と行政刷新会議事業仕分け対象事業に対する意見

政府の行政刷新会議は事業仕分けにて、「スーパーコンピューター」「バイオ関連」「海洋研究開発」など、将来の日本の競争力を左右する部分について、ばっさりと予算削減されています。連日、テレビや新聞がこの話題を取り上げています。

製造業で働く研究者として、基礎研究を進める博士(工学)として、国の科学技術をリードする技術士(応用理学)として考えてみました。いずれの立場にたっても予算削減には反対です。

一般的に、企業の基礎研究部門が研究しているテーマがすぐに、そのまま事業化される確率はほとんどありません。今回の行政刷新会議のコンセプトである無駄を排除するという点から考えると、企業の場合は基礎研究をすべて止めなければなりません。しかしながら、研究費の大きな削減はありません。理由は、日本の未来を支えるのは技術革新であると経営者が考えているからです。

大学などで進めている基礎研究はすぐには利益を生み出しません。大学発のベンチャーというのもありますが稀です。しかしながら、進めている研究の中から新たな発見があり、気づきがあり、学会発表等で議論されながら、それらがスパイラル的に進化していきます。私の経験だと、学生時代にブームになった超電導の技術は、その製造方法や製膜方法の進歩が、新しい別の材料を生み、新しい半導体装置を生み、技術のすそ野を広げていいています。現在、国をあげて進めている太陽電池研究に関しても、コンピューターのシミュレーションが生きてくるはずですし、短期的には無駄に思えても長期的には大きなメリットがあるというのが基礎研究だと思います。

ご存じのとおり日本は資源がない国です。しかしながら科学技術とそれを支える人材は世界に誇れます。しかし技術の分野も世界各国で日々競争されています。この部分で後れを取ってしまえば、日本に残される資源は何になるのでしょう? 金融?、農業? なんになるのでしょう?

今回の科学技術に対する行政刷新会議事業仕分けの対応は、短期的な利益を確保するために、本来やらなければならない長期的な投資を削っているような気がしてなりません。
当然、科学技術に対しても無駄なものは削減しなければならないと思っています。

仕分け事業に意見のある方は意見をしてください!

文部科学省
行政刷新会議事業仕分け対象事業についてご意見をお寄せください
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

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