« 弁理士 菅直人 | トップページ | SEDと液晶と技術のすそ野 ~ キヤノン SEDテレビ断念 ~ »

理系の博士課程への進学について

某大学(工学部)の先生から修士の学生の博士課程進学率が低いので、学生向けにセミナーを開きたいのことで、パネラーとして参加してほしいとの要請がありました。少し博士への進学を考えてみます。

まずは、超有名な「博士が100人いるむら」をどうぞ!
http://www.geocities.jp/dondokodon41412002/

私自身の経験と感想を述べます。ただし、工学系に限ることかもしれません。

私自身の博士をとるまでの過程は以下です。
大学修士→博士課程進学 無事3年で博士(工学)を取得しました。同じ研究室からは、前後の人を含めて、5人いたのですが、私と某大学の先生になった2人のみ学位を取得し、その他はいまだ学位を取っていません。
また、奨学金を借りて行ったので就職した時には約500万円の借金がありました。
卒業後は、大企業→ベンチャー→大企業と転職しており、いずれも研究開発をやっています。

【企業での博士の扱い】
・入社時には同じ年齢の修士卒の年度の人と同じ扱い。すなわち、修士卒ですでに3年間働いている人と同じ給与からスタートします。
・昇進には全く博士は関係ない。(実際に私の上司は2年間、私が学位があることを知りませんでした・・・・)
・研究開発のテーマにはつきやすい。専門にもよりますが、人事部としては、博士は自立した研究者とみなしています。
・博士でも使えなければ、陰口をたたかれ、移動させられます。企業としては当然だと思います。
・就職はあまりにもマニアックなテーマであれば厳しいかもしれませんが、物理や工学系のつぶしが利くようなテーマであれば不利にならないと思います。
・転職の際には、博士はかなり有利になると思います。

【企業内の研究者の気持ち】
いろんな人に聞いたところ、ほとんどがチャンスがあれば学位を取りたいと思っているようです。理由はいろいろあると思いますが、深く専門を持ちたい、博士の方が優遇されていると思っている、海外とのやり取りは博士がないとつらい、研究者として優れた人が博士を持っている、などなどの理由と思われます。

【博士研究員と修士卒研究員の違い】
私の感じた所です。博士研究員の方が、自立して課題をみつけて解決する、まとめる能力が高いように思います。しかしながら、著名な先生の下で学位をとった人の中には、先生から手厚い指導を受けすぎたのか、あまりレベルの高くない人もいらっしゃいます・・・。

【企業での学位の取り方】
・会社から行かしてもらう。これは、なかなかチャンスがないと思います。
・自力で土日に通う。これをやりながら、学位をとった人や現在進行形の人を知っています。自腹で行くので、3年間の学費を出さなければなりませんし、論文を書くのも大変です。私は若い人でパワーがある人には、このやり方を進めています。
・企業で論文を少しずつ書きながら、10年後ぐらいにまとめて学位論文を書く。このやり方で学位をとった方も知っています。現在は、学位をとるために大学に通う必要があるので、あまり通わなくてすむ大学を選ばなければいけないかもしれません。

【海外での扱い】
この部分は私はあまり経験ないので、私の周りだけの感想です。
・博士でないと、相手にしてくれない場合がある。(会ってくれいない場合があるようです)
・実力がなければ、博士であってもバカにされる。これは私の知っているシリコンバレーの企業は、博士であろうがなかろうが、実力だけで判断されます。シリコンバレーなので合理的なのかも・・・。

【博士進学に関して私の結論】
・将来にわたって研究開発の仕事をしたければ進学するのも選択肢です。ただし、テーマや分野がマイナーであったり、普遍化して利用できないようなものであれば、企業への就職は厳しいかもしれません。進学する場合は、できるだけ金銭的に無理のないやり方を考えてください。
・研究にこだわりがないのであれば、進学するとリスクが高いのでやめた方がいいです。
・私自身ちょっと後悔しているのが、博士の3年間に大学発の起業にチャレンジできれば良かったなぁと思っています。昔はそんな気にもなれなかったのですが、今はかなりやりやすい状況だと思います。

博士の就職の問題は大きな問題です。最近は不況のためか、大学のポストも人気があり厳しいと聞きます。一方で、3年間勉強して、世界に通用するような研究者になる、技術をお金に換えるような起業をするなど、さまざまな可能性もあります。現在から、未来にわたっての自分の可能性をどう考えるか、世界観をどこまで広げるかによって答えが異なってくるような気がします。

いずれにしても、人生を楽しく過ごしましょう!


人気ブログランキングへ

|

« 弁理士 菅直人 | トップページ | SEDと液晶と技術のすそ野 ~ キヤノン SEDテレビ断念 ~ »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/1126219/36178672

この記事へのトラックバック一覧です: 理系の博士課程への進学について:

« 弁理士 菅直人 | トップページ | SEDと液晶と技術のすそ野 ~ キヤノン SEDテレビ断念 ~ »