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SEDと液晶と技術のすそ野 ~ キヤノン SEDテレビ断念 ~

今週は予想はされていましたが、びっくりしたニュースがありました。
キヤノンがSEDテレビの販売を断念したというニュースです。
特許問題で米国のパテントトールと争い、東芝が撤退し・・・、最近は厳しい状況が続いていましたが、ついにギブアップということです。
私は、この断念の大きな理由は、特許問題でなく、単にコストだけでなく、技術にあると思っています。

SED方式のディスプレイは、ブラウン管に近い原理で薄型で高速応答、高いコントラスト比であることが特徴でした。しかしながら、製造が難しくて歩留まりが上がらないという噂がありました・・・。

SEDの開発が始まった1990年代後半から、さまざまな方式のディスプレイが提案されてきました。液晶以外にも、プラズマやプロジェクタ、SEDにFED、さらには有機EL、無機EL、日本碍子の圧電セラミックスディスプレイというのもありました。

今のところ、薄型テレビの一番の勝者は液晶ディスプレイになりそうです。私自身の考えとしては、液晶は1960年代から研究されており、その周りの技術の蓄積が膨大であり、2000年ころには、ガラス、蛍光管、偏光板、TFT、液晶の種類、カラーフィルタなどなどの周りの技術が大きく広がり、確実にコントラストを上げ、応答速度を上げ、面積を大きくし、欠点をなくしていきました。さらには、適切な競争のもとで、価格が大きく下がってきました。
実際にSEDが開発始まったころには液晶では40インチ以上の大面積ができないと言われていました。

もし、SEDの技術キヤノン1社(東芝も入りましたが)だけではなく、他の多くの会社と進めたらどうだっただろう?と思います。素晴らしい技術を囲い込んで独占するというのは、戦略的に間違っていませんが、1社だけで開発するにはあまりにも難しかったのではないかと予想します。途中から真空装置メーカーのアネルバを買収しましたが、タイミングが遅かったような・・・。

個人的には、技術のスジが見えた時点で、広く他社との協力を進めた方が良かったと思います。技術のスジを見ることができなかったのか、トップへ正確な情報が上がっていなかったのか、根性論だけで突き進んだのか・・・。

中の人の意見を聞いてみたいです。(誰かこっそりコメントください)happy01


今日のまとめ
新しい技術は囲い込みができて、売り出せれば大きな儲けのチャンス。一方で、囲い込むと周りの技術開発まで抱え込まなければならず、技術開発が遅くなったり、コストダウンが難しかったりのリスクをも抱え込みます。
技術のスジを見極め、抱え込みができないと思った時点ですぐに戦略を転換する必要があります。(まぁ、言うのは簡単ですが・・・・)


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参考記事
キヤノンニュースリリース記事
ウォールストリートジャーナル日本版
ITmediaニュース

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