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2010年10月

一歩先を行く研究、半歩先を行く研究

私自身の経験です。
199X年にタッチパネルの研究をしていました。当時は、シャープのザウルスやソニーのクリエ、パームなどの電子手帳が流行りだし、これからの入力手段としてタッチパネルが有力になると考えていました。
しかしながら、サンプルを作って評価を進めていたのですが、しばらくして研究開発は中止になりました。理由は市場がなさそうということでした。
実際に、2000年に入ってから、上記のような電子手帳は消えてなくなりました。当時は、市場がないのでしょうがないかなぁ・・・、と考えていました。

しかしながら、2010年の今はどうでしょうか?アップルのiPhone、iPadにはその入力システムとしてタッチパネルが搭載されています。さらには、任天堂DSにもタッチパネルが入っています。入力方式としてタッチパネルは入力しやすく使いやすいものとなっています。今後もタッチパネルを用いた商品がどんどん出てきそうです。

さて、90年代後半に研究していたタッチパネルの研究はなぜ、とん挫したのでしょうか?
当時の予想では、スマートフォンの市場が伸びてくるという予想はありましたが、実際には販売が始まっていませんでした。また、スマートフォンの最初のものは小型のキーボードを搭載したものでした。また、ゲーム機にタッチパネルが搭載されるとは予想ができませんでした。
タッチパネル自体はそんなに難しい構造ではなく、小さい工場で作ることが可能なデバイスなので、ある程度市場が見えてからでも十分に参入できるようなものです。

研究開発のタイミングが早すぎて、市場が小さい場合は参入しても利益が出にくく、大企業では参入しずらいものです。適正規模で細々と進めていくのが正しい方向性ですが、当時は(バブル時代の考え方が残っていたためか)そのような考え方が受け入れられませんでした。このように、一歩先を行く研究は、早すぎすために中止になるリスクがあるようです。

反省点としては、タッチパネルの技術を持って、新しい市場開拓(例えばDSなど)をすべきであったと思っています。研究開発において、市場が立ち上がっていない場合は、技術が出来上がったとしても参入が難しいことがあります。そのときは、自ら市場を開拓していくぐらいの気持ちが必要です。研究としては一歩先を行くよりも半歩先の研究の方が成功の確率が高いような気がします。しかしながら、研究者としては、一歩先を行きたいです。

時代を読む目、市場を見る目が重要だとつくづく思います。

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博士課程進学セミナー

某大学の工学部の博士課程への進学セミナーにパネラーとして参加してきました。学生の出席者は100人ぐらいと盛況でした。

セミナーの目的は博士課程というのも進路の選択としてありますよということを認知してもらうということです。

博士に対する私の経験、考え方はこちら
http://pro-engineer.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-a658.html

パネラーとして参加したのはOBの博士たちです。それぞれの進路としては、

・民間に就職、転職2回(私です)
・大学の助教から洵教授へ(任期あり)
・国内ポスドク、海外ポスドク、国の研究所(任期あり)
・国の研究所、高専の先生
・社会人博士、元の企業へ

という感じです。

いろんな人が話をされていましたが、博士というのは運転免許証のようなもので、研究者としてのライセンスだというのは納得感がりました。

私自身、企業は変わっても、似たような研究をずっとやっています。また、転職のときは明らかに有利です。

あとは皆さん英語はしっかりやっておいて下さいという方が多かったです。私自身も英語は苦手で苦労しているので、若い人にはぜひとも得意になってほしいです。ただし、研究ができなければなんにもなりません。

パネラーの方々の意見で私と異なっているのは、あまりお金に執着していないことです。私の場合は、研究もしたい、お金も欲しいということで、民間企業でやっています。一方で、任期ありの処遇でも研究ができるだけで満足されている方もいるようです。清貧という日本人のメンタリティーなのかもしれませんが、博士の方が待遇についてもっと考える必要があるのではと思いました。

企業にしても、国の研究所にしても、大学にしても人材が足りていないということでした。
応募してくる人は多いのだが、研究がしっかりできる人が少ないとのことです。若い人は是非とも腕を磨いておいてほしいです。

学生からも積極的に質問が出て、無事に終わりました。

結論としては、大学院の次の進路の選択肢として博士課程というのもあることが認知され、研究で生きていくなら必要だという話になりました。

最後に、私から学生さんへのメッセージとして「自分の人生は、自分の頭で考え、心で感じて、自分でコントロールしてください」ということを述べました。

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真空装置メーカーの戦略

テックオンに興味深い記事が載っていました。
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20101015/186526/
(要登録)

アルバック社が材料ビジネスを強化するそうです。
『「装置とプロセス,材料をまとめたソリューションを提供できるのはアルバックしかない」という強みを生かして,事業を拡大する。』
アルバック社は、FPDの発展とともに大きく伸びてきた会社ですが、2年前のIRレポートに「ポストFPD戦略として、ターキーソリューション展開(太陽電池ビジネス)、材料ビジネスの充実、省資源・省エネビジネス開拓」ということで未来を見据えた研究開発を進めています。

私自身も装置メーカーは装置ビジネスだけでは行き詰る思っており、材料ビジネスへの展開は大賛成です。材料とプロセスをセットにすることで、強い知財を作り、装置の売り切りではないビジネスモデル、材料を継続的に売ることができるビジネスに展開できるからです。

私自身は研究用ですがアルバック社の真空装置をよく使っています。故障はほとんどしないし、装置の消耗品といっても何年かに一度数十万円んかかるぐらいで、全くビジネスとしては売り切りの形になっています。量産装置においても、それなりに24時間体制のメンテナンス契約などがあるにしても、故障は少なく、売り切りに近いと思われます。ホント装置売りだけではこの先じり貧が予想されます。

そこで、日本の得意分野である材料をうまく取り込み、装置とセットで売る。あるいは装置部分をブラックボックス化して材料のみを売るというビジネスを作ることができればいいと思います。
一方で、材料開発は時間がかかり難しい面もあります。そこで、大学などが開発した新材料を安く作る、大量に作る装置とセットで開発すれば面白いと思います。

頑張れ、日本のモノ作り!!!

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頑張らないで成果を上げる方法

小さい時から、成績、偏差値、順位などで競争をして生きてきた人が多いと思います。
私もそうでした。一昔前は、頑張って勉強して、一流大学、一流企業・・・・、というパターンが成功の近道のような言われ方をしていいたような気がします。しかし、このような生き方は、いつも競争して戦い続けなければならない、大変な生き方です。
私の場合、ある時からやり方を変えることで、比較的成果(研究者として)が上がるようになりました。
その考え方の紹介です。


A君は、学生時代、一生懸命頑張って成績を上げて、成績の上位になり、いい企業に入社しました。
その企業では、同じようなレベルの人ばかり集まっています。入社時のA君の成績は、真ん中あたり。
入社してから仕事を覚え、成果を出すために、サービス残業をして、血のにじむような努力をし、数年後にはなんとか成果を上げるようになりました。
成果が上がり注目を集めると、先輩ともライバル関係になりますし、優秀な後輩もライバルになってきます。
この中でさらに成果を上げるためには、もっと残業を、土日も猛勉強をしなければ・・・。
いつまでたっても、残業で自由時間がなく、息の抜けない生活です。最後には、精神的に参ってしまいます。

誰かと競争する、がんばって上位になるというのは、素晴らしいことですし、そのために勉強することはいいことだと思いますが、能力以上に頑張ってしまっては体がもちません。

私の場合は、企業の研究所でA君のように深夜まで仕事をして成果を上げようとしていました。しかし、体を壊してしまい、救急車で運ばれるてしまいました。(35歳の時です)
そのとき思ったのが、人と同じことをやるのではなく、自分の経験や勉強してきた専門を生かしてやっていこうと思いました。そのため、最初は依頼された仕事や、不得意な分野の仕事はできるだけ断るようにしました。そのため、当初はボーナスが落ち込みました(涙)。それと同時に、自分の得意分野で会社に貢献することを必死で考えました。得意分野なら、血のにじむような努力をしなくても、他者よりは負けない自信があります。
得意分野での研究提案、企画をいくつか立てて、そのプロジェクトを細々と(頼まれ仕事の合間に)進めていました。得意分野なので、徐々に社内の評判も上昇し、成果が上がるようになってきました。こうすることで、以前と呉べて圧倒的な成果を短時間であげられるようになってきたのです。

まさに、ピータードラッカーの「みずからの強みを知り機会をつかむ」ですし、ランチェスターの言うところの得意分野で戦うという意味で局地戦だと思います。

まとめ
・他社と同じ分野で頑張り続けるのは、消耗戦となる。
・不得意な分野で頑張るのはやめよう。
・自分の得意な分野は何かよく考えよう
・得意な分野で貢献することを考える。

頑張っていても成果が上がらない場合はぜひ一度、自分がどういう状況か考えてみてください。

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CEATEC 2010 行ってきました。

CEATECとに展示会に行ってきました。

実は、昨日の夕方まで、場所は東京ビックサイトと思っていましたが・・・・・、
案内を見ると、なんと幕張メッセでした!
ちなみに、ビックサイトでは何の展示会が行われているかというと、


テロ対策特殊装備展 です!


「どんだけ、軍事マニアやねん!」
と突っ込みを受けそうな展示会です。

あやうく、会社で笑いものになるところでした。

それはそれで、面白いネタがありそうな気がしますが・・・・。
(どんだけマニアやねん)


さて、ことしのCEATECで一番印象に残ったのは、各社の3Dテレビです。
その他としては、スマートグリッドとLEDですね。いずれも環境がらみのテーマです。

気になったものとしては、三菱のレーザーテレビです。リアプロの光源がレーザーになったものですが、非常にきれいな印象でした。消費電力の低いこの方式はLCDより個人的にはお勧めなのですが・・・・。いまいちブレークしません。頑張ってほしいところです。

今日の入場者数は40415名とのこと、昨年の木曜日は12793名らしいので、かなり人が増えています。景気が本格的に回復したと思いたいですね。

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