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一歩先を行く研究、半歩先を行く研究

私自身の経験です。
199X年にタッチパネルの研究をしていました。当時は、シャープのザウルスやソニーのクリエ、パームなどの電子手帳が流行りだし、これからの入力手段としてタッチパネルが有力になると考えていました。
しかしながら、サンプルを作って評価を進めていたのですが、しばらくして研究開発は中止になりました。理由は市場がなさそうということでした。
実際に、2000年に入ってから、上記のような電子手帳は消えてなくなりました。当時は、市場がないのでしょうがないかなぁ・・・、と考えていました。

しかしながら、2010年の今はどうでしょうか?アップルのiPhone、iPadにはその入力システムとしてタッチパネルが搭載されています。さらには、任天堂DSにもタッチパネルが入っています。入力方式としてタッチパネルは入力しやすく使いやすいものとなっています。今後もタッチパネルを用いた商品がどんどん出てきそうです。

さて、90年代後半に研究していたタッチパネルの研究はなぜ、とん挫したのでしょうか?
当時の予想では、スマートフォンの市場が伸びてくるという予想はありましたが、実際には販売が始まっていませんでした。また、スマートフォンの最初のものは小型のキーボードを搭載したものでした。また、ゲーム機にタッチパネルが搭載されるとは予想ができませんでした。
タッチパネル自体はそんなに難しい構造ではなく、小さい工場で作ることが可能なデバイスなので、ある程度市場が見えてからでも十分に参入できるようなものです。

研究開発のタイミングが早すぎて、市場が小さい場合は参入しても利益が出にくく、大企業では参入しずらいものです。適正規模で細々と進めていくのが正しい方向性ですが、当時は(バブル時代の考え方が残っていたためか)そのような考え方が受け入れられませんでした。このように、一歩先を行く研究は、早すぎすために中止になるリスクがあるようです。

反省点としては、タッチパネルの技術を持って、新しい市場開拓(例えばDSなど)をすべきであったと思っています。研究開発において、市場が立ち上がっていない場合は、技術が出来上がったとしても参入が難しいことがあります。そのときは、自ら市場を開拓していくぐらいの気持ちが必要です。研究としては一歩先を行くよりも半歩先の研究の方が成功の確率が高いような気がします。しかしながら、研究者としては、一歩先を行きたいです。

時代を読む目、市場を見る目が重要だとつくづく思います。

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