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2011年5月

太陽光パネル1000万戸?

首相がOECDにて「日本中の設置可能な約1000万戸の家の屋根すべてに太陽光パネルを設置することを目指す」と発言されたそうです。さて、これは喜ぶべきか?

たぶん、現状の太陽光パネルの性能とコストでは、逆にCO2を増やすような状況で、エネルギーの無駄になると思われます。
こちらのブログにわかりやすく理由が記載されています。
http://www.anlyznews.com/2011/05/100016000.html#more

現行の太陽光パネルは効率が悪い、コストが高く、政策的に高く買電してもらうことでようやく導入のメリットがあるものです。このブログによると、年額1兆6000億円の財施負担が出てくるそうです。(私もそう思います)

コストと効率に関しては、シャープ社のこの資料に詳しく出ています。
http://www.meti.go.jp/committee/materials/downloadfiles/g80423b02j.pdf

今後の流れとしては、結晶系の太陽電池から薄膜系へ、場合によってはSiからCIS系へ移行するものと思われます。CISの方が効率の伸び代があると予想されています。さらには、このブログで紹介したように、お湯をつくることとのハイブリッド化なども出てくるかもしれません。

p20の資料を見ると、太陽電池コストと共にバカにならないのが、工事費のようです。より安価に施工できるような工夫もこれからの太陽光パネルに必要だと思われます。
実は、私も太陽光パネルを自分の家に取り付けています。その際に、某社のCISパネルを取り付けたかったのですが、私の家の屋根形状には対応していないと言われました。地味な開発ですが、どんな屋根にも安価に取り付けるよいうことも、とても重要だと思いわれます。


さて、文頭の1000万戸はどうなるのか、気になります。無駄な税金投入にならないことを祈るばかりです。


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見直される太陽熱温水器

エネルギー問題がクローズアップされ、太陽熱温水器が見直されているようです。

私も以前住んでいた借家にはついていました。
夏は、沸騰寸前の熱湯が出て、冬の晴れの日は追いだきがいらないくらいのお湯が出ていました。
巷でブーム?の太陽光発電よりははるかに効率がいいそうです。


直感的には、
太陽光 → 電気 → ヒートポンプ(ヒーター) → お湯
太陽熱 → お湯
の方が効率がいいですよね。


東京新聞の記事
http://www.tokyo-np.co.jp/article/living/life/CK2011050902000052.html


新エネルギー財団のHPには詳しく書いてあります。
http://www.nef.or.jp/solarthermal/index.html

また、構造が簡単なので自作可能なようで、「太陽熱温水器、自作」で検索すると多くの例があります。

また、この会社のように非常に低コストな太陽熱温水器を販売しているところもあります(この会社の回し者ではありません)
http://www.solars.jp/


さて、研究者の立場としては、太陽熱温水器はある程度技術開発が進んでおり大きな効率アップが難しいように思います。しかしながら、以前紹介した記事のように、太陽電池との併用熱電素子との併用などにより、よりよいものができてくると思われます。

太陽光のうち赤外線は熱に、それ以下の波長は電気にするとよいと思われます。熱電の場合も温度差を付けるのには水はもってこいの素材です。

Dr.中松先生の発明のように磁性流体を用いて効率よく発電する方法もあるかもしれません。
http://www.patentjp.com/13/W/W100974/DA10001.html

いずれにしても、ハイブリッドでより効率を目指すのが良いと思われます。

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太陽光を使った熱電発電

3.11以降のエネルギー開発はどうすべきなのか・・・。
そんななか、面白い記事がありました。

熱電変換素子を用いたフラット・パネル型の太陽熱発電兼温水供給システムを開発した。発電だけでなくお湯も同時に作る「熱電併給(コージェネ)」が可能で、発電の変換効率は5%前後である一方で、50℃前後のお湯も作ることができる。

テックオンより(要登録)
http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20110508/191602/?ST=PV


論文はNature Materials
http://www.nature.com/nmat/journal/vaop/ncurrent/abs/nmat3013.html

おそらくこのままでは厳しそうですが、方向性として、コジェネというのはいいかもしれないと思っています。
太陽電池にしても、単独だけよりも、熱電材料との組み合わせや、太陽熱との組み合わせなどそれぞれのいいところをかけ合わせて(しかも低コストで)がんが得なければならない気がします。
その意味では、このような取り組みは面白いと思います。
水で片面を冷やしながら、温度差をつける。水は温水として利用するという、とても理にかなった方法のように思えます。

一方で、MITの使用した熱電材料というのが、昔からあるBiTe系というのがなんとも・・・。熱電発電の問題は真に良い材料が見つかっていないことですね。

日本の材料技術に期待したいです。

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観点を変えて前向きに考えるということ

先日、実際に会った話。

広報部から技術展示をしたいから協力してほしいとの依頼がありました。
実は、以前にも技術展示をしておりネタ的には新しいものがないのが現状でした。

私と同時に依頼を受けた友人は、
「新しいネタがないので今回はパスします。」と答えました。

一方で私は、
「新しいネタはないのですが、会社の方針である***という切り口で展示を考えてはどうでしょうか?」と話をしました。さらに、「***という会社の考え方を社員にも再認識させ、社外にも伝えることができるので一石二鳥ですよ!」と付け加えました。

どちらの返答が良い悪いはないのですが、見方を変えるだけでずいぶんと方針も変わります。
新しいネタがないのは事実ですが、考え方によってはどうにでもなります。
実際に採用するしないは、広報部の判断になります。しかしながら、単に断るのではなく、新たな観点を理由とともに提案することで、展示の方向性に新たな広がりがでます。また、私に対しては前向きな人であるとの印象を受けたと思います。

観点を変えることでいろんな広がりが出てくるという話でした。happy01

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量子ドット太陽電池

原発の問題によってエネルギーの問題がクローズアップされてきています。そして、タイムリーなニュースが日刊工業新聞から。

http://www.nikkan.co.jp/news/nkx0720110425eaao.html

東京大学の荒川泰彦教授とシャープの研究グループは、次世代太陽電池として期待されている「量子ドット太陽電池」の理論変換効率が75%に達することを明らかにした。63%が上限とされていたが、バンドギャップの間に電子の足場となる中間バンドを複数持つ構造にすると、変換効率が上がることを理論的に見出した。(以下略)

量子構造の工夫で発電効率が上がるという可能性が示されており、実際にモノができると、小型のモノでも十分な発電遼が得られ、蓄電技術と組み合わせることでかなりエネルギー源としては有力になると思われます。
(現在の太陽電池は、効率が低いため十分なエネルギー源とは言えない。)

量子ドット型の太陽電池はまだ実用化は遠いと思われます。何の材料が適しているのか?、安価な作り方はできるのか? 耐久性はあるのか? など工業的に解決しなければなりません。 安価な製造方法がなければ、製造のためのエネルギーが大きくなり、本末転倒になってしまいます。

研究の方法としては、完全に理想的なものを作ることを目指す、既存の材料に量子ドットの構造を少しずつ入れていく、が考えられます。前者は一気にブレークする可能性もありますが、困難度も高いと思われます。私が研究するとすると、後者の既存の太陽電池に少しずつ量子ドットの知見を入れていき、発電効率が徐々にアップすることを目指すと思います。

期待は大きい方式ですが、もう少し先の技術になりそうです。
頑張れ、日本の研究者!!!good

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