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強誘電体の発表について2 (2019年春応物)

前回の続きです。

 

【PZT系】

PZT系は5件と少なめです。この材料は私自身の専門でもあるのですが、すでに応用がどんどん進んでいるため応用物理学会の研究テーマとしては合わなくなってきているのかもしれません。しかしながら、PZT系はまだまだ奥深く、20年以上研究している私から見ても、新たな知見がどんどんわかってきている感じです。まだまだ伸びそうな材料ですが・・・・。

 

【BST系】

1件のみの発表です。この材料固有というよりも、基板材料との関係性での結晶性、歪などと評価結果が発表されています。

 

【LiNbO3】

1件のみの発表です。グラフェンを用いて焦電特性を評価しています。

 

【PVDF系】

大阪府大のメンバーが、電気熱量効果としてPVDFを利用しています。私自身、不勉強でしたが、「電気熱量効果(Electrocaloric effect; EC effect)とは、電気双極子を有する物質に電界を印加/除去した際に生じる可逆的な発熱/吸熱過程を指す。 」とのことです。結果としては10kHzの電圧印加で0.2度程度の温度変化が観測されているようです。まだまだ小さい変化ですが、非常に面白い現象ですので、ブレークスルーを期待したいです。

 

材料の点から強誘電体薄膜のセッションをまとめてみました。

感想としては、HfO2がホットなこと、非鉛系の圧電材料の研究が活発なこと、PZT系は一段落、新たな応用としてPVDFの電気熱量効果の利用が面白いなと思いました。強誘電体/圧電体分野は現象自体が面白いこと、応用がいろいろあること、薄膜形成に苦労がありそれなりに研究としては面白いことから、まだまだR&Dは続くような印象です。今回発表のなかったAlNやGaN系の圧電体も興味深いところです。

以上

 

 

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