« 研究開発で後発が先発に勝つには? | トップページ | 2020年 春 セラミックス協会発表 »

研究開発で先発が後発に勝つためには? その2

後発からの参入でも開発競争に負けないためにはどうすればよいかを考えていきます。

先発に対して後発は以下の利点があります。

 

①需要の不確実性の判断ができる

研究開発の初期の段階では対応する商品の市場規模やどの程度の売上があるかを予想することは困難です.ある程度の市場規模などの類推はフェルミ推定等を用いながら算出しますが,商品開発の段階で確実に市場があるかどうかを見極めることは一般的には困難です.一方で,後発は先発の動向を見てから開発をスタートさせますので,開発投資のリスクを減らすことができます.そして,研究者としては開発したモノが売れるかどうかわからない状況でスタートするよりも,売れるということがわかって目標が明確になる方が開発のモチベーションも上がりやすいと思われます.すわなち,先発が失敗していて,参入しても市場がないと思われる分野の開発は行いませんので無駄なリソースを使わなくて済みます.

以上のことからこの点において後発はかなり優位に開発の戦略を立てることが可能です.

②プロモーションコストの低減

新しい商品を顧客に認知させて,それを購入させるためにはかなりのプロモーションが必要です.そのプロモーションコストを先発が持ちますので,後発は比較的低コストで市場に入っていくことが可能となります.商品の説明をする際にはすでに顧客がイメージできるため説明が容易ですし,それに対しての差別化ポイントで売込みを行うことで,より効率よく販売することが可能となります.

③研究開発コストを低く抑えられる

研究開発において,後発の場合は先発のデータをかなり参考にすることができます.論文情報,特許情報,さらには大学等の関連研究機関へのヒアリングなどです.新しいテーマに着手する場合,多くは既存の論文や特許を参考にして研究をスタートします.先発がすでに論文発表や商品を出している場合はその論文や商品をベンチマークし,追試を行った上で基本的な技術を学び,その上で新たな独自の視点で開発を進めていくことになります.そのため,研究開発において無駄な寄り道が少なく効率よく開発を進めることができるので,開発コストを低く抑えられます.

④顧客の変化に対応しやすい

 商品の発売後に顧客が新たな使い方を始めたり,その商品に対する要求が微妙に変わってきたりする可能性があります.後発だとその状況を見ながら,開発を進めることができます.一方で先発だと,既存の商品を小改良なら可能ですが根本からの見直しは,既存の製品との関係から進め難いと考えられます.そのため,結果として後発が優位になる場合があります.

⑤技術面での不確実性に対応できる

 ある商品を販売した後に,技術的に不具合が仕様変更を行う必要が出てくる場合や,商品回収を行わなければならないようなことが考えられます.

例えば,素材Aと素材Bを組み合わせてCという商品を作った際に,Cの商品で耐久性に関する不具合が発生し,その原因が素材Aにあったとします.素材Aは信頼性に関して徹底的に調査して,厳しい仕様をクリアして十分に信頼性出荷しているはずなのですが,組み合わせてCという商品にして使った際に,顧客の予想外の使い方や,Cの製造工程での想定外のダメージなどで,結果として信頼性が低下してしまったと考えられます.先発であれば,原因追求から素材Aの開発まで時間を要して,膨大なコストがかかると思われます.一方で,後発であれば,信頼性の問題が表面化した後からの開発ですので,素材の選定時にはそのリスクのないものを選定することができます.あるいは商品化のプロセスでの何らかのダメージなども考慮しながら開発をすすめることができるので,初期のトラブルにある不確実性の問題に対応可能です.

 

上記のような理由から後発が有利になる点もあります。これらのポイントを把握しながら、戦略を立てていくと良いです!

 

|

« 研究開発で後発が先発に勝つには? | トップページ | 2020年 春 セラミックス協会発表 »

研究開発」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 研究開発で後発が先発に勝つには? | トップページ | 2020年 春 セラミックス協会発表 »