研究開発の秘訣

異分野での成長市場の見つけ方

「異分野での成長市場の見つけ方」という大変興味深い話が2014年9月の技術士という雑誌P.8に載っていましたので一部ご紹介します。著者は下川眞季さん(技術士(経営工学部門))で、論文のタイトルは「異分野市場における自社技術の事業化事例」です。

非常に分かりやすくフローチャートになっていました。文字で書くのでわかりにくくなっているかもしれません。ご了承を!

(1)異分野キーワード検索
(2)データ集計
(3)成長市場か? 
  Yes → (4)へ、 
  No → (1)へ
(4)展示会イベントの視察
(5)市場候補の絞り込み
(6)仮説:(市場)×(技術の強み)
(7)試作品作製
(8)市場実験
(9)不便不満の解消できるか?
  Yes → (12)へ
  No → (10)へ
(10)仮説は妥当か
  Yes → (11)へ
  No → (5)へ  
(11)試作修正 → (8)へ
(12)商品企画


新しい商品開発は、いろんなパターンがあり、単純ではないのでこれだけには限らないと思いますが、ひとつの方法としては有効だと思います。
研究からスタートする場合も、キーワード検索などによるデータ収集からスタートすることもあります。

既存の技術をいかに他の分野に利用して、新たな価値を付け加えるか、というのは重要な研究開発の方向だと思います。

頑張れ日本のモノづくり!


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研究開発とランチェスターの法則、そしてSWOT分析

前回、ランチェースターの法則から、できるかぎりテーマを絞って、自身が弱者として認識して開発を進めなければならないということを書きました。

さて、それではどういう風にテーマを絞ればよいでしょうか?
まず、自分が何者なのかと言うのをよく知らなければなりません。
そのためのツールとしてSWOT分析、クロスSWOT分析というのがあります。
(たくさん出てきますから、調べてください)

実際に、大企業のR&Dの人たちも使っていますが、簡単な分析方法なのですがきちんと使いこなしている例は少ないように思います。理由はわかりませんが、他者(他社)の分析が甘かったり、自分を強く見せようと思ったりしているためだと思います。正確に、客観的に見ることが重要です。

自分(自社)の強み、弱み、機会、脅威を正確に考えましょう。
その上でクロスSWOTでそれぞれを掛け算させて
「強み」によって「機会」を最大限に活用するために取り組むべきことは何か?
「強み」によって「脅威」による悪影響を回避するために取り組むべきことは何か?
「弱み」によって「機会」を逃さないために取り組むべきことは何か?
「弱み」と「脅威」により最悪の結果となることを回避するために取り組むべきことは何か?

と言うことを考えてください。


次回、より具体的にやってみようと思います。

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研究開発とランチェスターの法則

ランチェスターの法則をご存知でしょうか?

Wikiより
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%81%E3%82%A7%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%81%AE%E6%B3%95%E5%89%87

検索するとたくさん出てくるので、調べてみてください。

軍事のために見いだされた法則ですが、日本では営業の方の間で流行した法則です。簡単に言うと、強者の戦略と弱者の戦略は大きく異なるということです。

さて、研究開発において
特に新規テーマや後発のテーマの場合、自分たちが弱者であることをよく認識しなければなりません。この認識が間違っていると、成功することはできません。
特に、大企業では強者である分野が複数あったり、リソースが十分にあるので、研究開発においても強者の戦略をとりがちですが、多くの場合失敗してしまいます。

研究開発では、自身が弱者であることをよく認識し、できるだけ特徴のある技術、差別性のある技術に絞って他社よりも少しでも先に行くことが必要です。その、少しでも差別性のある技術はなにか?というのが一番難しいのですが、徹底的に考えるしかありません。後追いのみでは到底勝てるはずもありません。


私事で恐縮ですが、
約10年前に一人である技術の開発を進めました。その時は一人だったので、ある特徴にこだわって、他の性能は無視して開発を進めました。その結果、目標とする性能を達することができました。うまくいくようになると、急に周りの助けも得られるようになり、開発がどんどん進むようになりました。今では、世界中の企業の方が私のところに、共同開発したいとやってきます。(具体的な話ができないので残念ですが)
これは、一つの特徴にフォーカスして開発した結果、私一人でも課題を突破することができ、その突破をきっかけにテリトリーを広げていくという、まさにランチェスターの法則そのものです。

研究開発を進めている人はぜひとも、一つの特徴のあるところに力を集中して、成果をあげて、その後広げていってほしいと思います。決して、自身を強者と思って、他者の後追いで同じことをやってはいけません。


頑張れ日本のモノづくり!good


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最適化のワナ!

材料研究の場合、「最適化」という言葉でモノを考えない方がいいです。
若い人、時にはおじさん?も、報告資料に「今後の予定として***に関しては最適化する」なんて言葉を書いています。研究の初期段階で最適化を考える必要はないです。このような言葉を書いて、うまくいった研究はあまりないです。

ある装置で作ってモノができるのであれば、その条件の最適点を求めるのではなく、モノができるメカニズムや条件の普遍化が研究としては必要です。材料開発でも最適化する前に、普遍化してメカニズムから考える必要があります。

何かある条件がトレードオフの関係にあり、それぞれの間を取るという最適化は最もやってはいけないと思います。研究者であれば、トレードオフの関係を外すためにどうするか? それぞれがandが取れるようにするにはどうするかというのが仕事です。特に、結果の出ていない人・研究者の報告書の今後の予定に「最適化する」という言葉が多いです。逃げの言葉として使われているようです。

最適化が必要なのは、量産になって材料、装置やプロセスが決まってからで十分です。

今日のポイント
「最適化」という言葉を使うときには注意が必要
トレードオフや結果が出ない苦しさから逃れていないか?ということを考えるべし。
最適化をする前に、普遍化、メカニズムをよく考えること。


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材料研究の方向性2 (絨毯爆撃)

材料開発をどう進めるか?ということに関して、「理論的に設計して・・・・」ということもありますが、なかなかうまくいかないのが実情です。特に企業での開発の場合、時間との勝負ですのでできるだけ最短の工数で最大限の効果を上げたいと思います。

私のお勧めのやり方は「コンビナトリアル」です。コンビナトリアルとは組み合わせによる合成(生成)方法です。私の場合は、無機材料の開発なので、組成を振るのに、成長温度を振るのに、コンビナトリアル手法を用いています。これを用いると、例えば20種類の組成の材料を作るのにこれまでは1か月かかったところが、たったの1日でできてしまいます。さらに、いいことに1回の実験ですべての組成の成長ができるので、バッチごとの再現性の問題は全くありません!

このようなやり方は、東工大や東北大で積極的に進められています。
http://www.fcrc.titech.ac.jp/material-1/pdf/0405-17koinuma.pdf
http://www.kawasaki.imr.tohoku.ac.jp/

正当な(格調の高い?)コンビナトリアル法とまではいかなくても、材料をつくるときの成長温度にグラディエーションをつけて成長させると、温度依存性が得られたりします。私の場合だと、6インチウエハを加熱して膜付けをするときに、ウエハを加熱ヒーターに対して斜めに設置したりします。そうすると、加熱ヒーターから浮いているところは基板温度が少し下がります。このようなやりか手で進めれば、一度の実験で異なる基板温度で実験をすることができます。

実験を行う前にいかに効率よくやるか?ということを考えて、工夫して進めるというのが重要だと思います。そのために準備をしっかりやって、実験に臨む。(当たり前のことですが)

私が、コンビナトリアル手法が好きな理由は、人の(自分の)無力なところを方法で補ってくるれるところです。新材料の開発というものはなかなか理論通りにいかず、無力感を感じることがあります。そのためバッチ式で1つずつモノを作っていると、新材料の開発は偶然できればラッキーということになってしまいます。しかも一生をかけてもできる実験回数は限られている。しかしながら、コンビナトリアルはそのための偶然の確率を飛躍的に増やしてくれるます。

コンビナトリアル法は、バッチ式でなれた人には慣れるまでに時間がかかるように思います。しかしながら、面白い方法なので、概念だけでも取り入れて材料開発の確立を上げていってはどうでしょうか?good

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材料研究の方向性1

材料研究をどうやって進めるか? 画期的な新材料(たとえば、高温超電導や、凄い効率の太陽電池材料)を発見すればノーベル賞も夢ではないのですが、普通には無理です。crying

私の場合、自分の研究者の目標(企業でいう理念)として「材料の構造を制御して材料の性能を最大限に引き出す」ということを掲げました。その理念のもとに、研究開発で成功を収めることができました。

材料は既存の材料なのですが、薄膜にするときに特殊な構造になるように成膜しました。そうすると新しい光学性能が生まれてきて、あるデバイスに組み込むと、光学性能が約5倍向上するという!!!材料を開発しました。実際には精密な(世界最先端の)光学設計のもとに材料を形成しているのですが、やったことは、ありふれた材料をちょと変わった方法で成膜するというだけです。この材料をユーザーに持っていくと、すぐに飛びついてアッという間に実用化しました。

その他にも、結晶の構造を特定の方位にむけることで、その材料のある性能が1.5倍になることがわかったため、その方位に向けるための研究を進め、その結果を複数の企業に売り込むことができました。

いずれも、材料そのものの開発というよりも、構造の制御により、材料の性能を最大限に引き出しています。構造制御のために、材料研究そのものよりも材料を任意の構造に作るためのプロセスの研究が主になっています。

中村修二先生のGaNに関しても、材料自身を発見したのではなく、欠陥を含めた構造を制御して、再現性よく品質のよいGaNを作ることに成功したのです。新材料の発見ではありません。

このように、材料研究といっても、新規な材料を開発しなくても既存の材料の構造を制御して、その材料の魅力を最大限に引き出せれば、新しい用途が開けると思います。good

今日のポイント
材料の構造を制御して材料の性能/魅力を最大限に引き出そう!


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材料研究の面白さ醍醐味

モノづくりの研究の流れとして(私の身近なところでは)、材料研究→プロセス開発→デバイス開発→システム化→商品 という流れになるという話を以前しましたが、材料研究はその開発の流れの最も川上にあり、すごい材料ができてしまえば、その後の流れ、市場が大きく変わる可能性があります。少し、山師のようですが一発逆転のだいご味があります。

中村修二先生のGaNに関しても、ひとつスゴイ材料が出来上がると、その新しい用途が生まれ、新しいデバイス開発やシステム(たとえばブルーレイや照明など)開発がおこなわれ、さまざまな大きな市場が生まれます。
前々回記述した、緑色レーザーに関しても、光の波長変換素子やその材料開発が不要となり、小型化や低コスト化が可能となると予想されます。すなわち、これまで緑色のレーザーを作っていた人たちは、波長変換素子を使ってデバイス化していたのが、材料で緑色が実現されたため、その部分の仕事がなくなってしまいます。デバイス化で苦労していた部分が一気に解消されるようなイメージです。

このように、新しい材料はそのあとの工程を丸ごと変えてしまうようなインパクトを持つことがあります。さらには、従来にない市場が開ける可能性もあります。

一方で、世界を変えるような新材料の開発というのは容易ではありません。中村先生がノーベル賞候補だというのもそれだけ価値がある材料を開発されたとうことです。

このような難しい材料研究をどのようにしてうまくやるか? というのを次回以降(いつになるか?・・・coldsweats01)に書こうと思います。


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研究・開発の流れ

私の行っている技術分野では以下のような流れで商品化されます。

材料研究

プロセス研究(材料を作るための製造技術)

デバイス化研究/開発(材料をデバイス化してそれなりの形にする)

システム化研究/開発(他の部分と組み合わせて一つの商品としてくみ上げる)

こんな感じです。
例をあげると、新しい透明導電材料の研究開発 → それを作るためのプロセス研究 → それを用いた液晶素子の開発 → その液晶素子を用いたディスプレイ のような流れです。

材料研究から商品が出るまで10年ぐらいかかります。私の経験で短いのものは、まったく新しい材料の開発をスタートしてから4年でした。気の遠くなるような時間がかかります。

私の専門は材料とそれを作るプロセスの開発です。しかし、デバイスやシステムのイメージがないと、初期の段階から間違った方向に研究を進めてしまいます。
以前、ブログで書いた「石ころからネックレスが想像できるか?」ということが重要となってきます。

基礎研究とはいえ、最終製品のイメージを持って研究開発することが、間違いの少ない(寄道しなくていい)研究開発になります。また、イメージを持つことで、課題が明らかになり、研究の立ち位置がわかります。場合によっては全く別の商品につながる場合もありますが、イメージを持つことで別のイメージが膨らむこともあるのです。

工学系の研究開発は比較的上記のような考えで進めやすいのですが、理学系の場合もできるだけ広い出口のイメージを持ち、さらに具体化して研究することがいいのではと私は思います。sign03

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日刊工業新聞に記事を書きました

ずいぶん前なのですが、日刊工業新聞に記事を書きました。


記事はクリックしてみてください。↓

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まじめに、一生懸命やっているだけではダメ

約10年前の私は、
「まじめに一生懸命やっていれば、そのうち成果が出るさ!」
と思っていました。また、「神様はきっと見てくれている!」と考えていました。・・・あっ、私は無神論者ですので、当時の私は都合がいいですね~(*^-^)

でも、・・・・・・成果は出ませんでした。研究がうまくいきませんでした。当時の部長からは毎日のように罵倒されていました(今思えば、明らかなパワハラですね)。毎日、胃が痛くて、通勤が苦痛でした。

あるときに、まじめにやる、一生懸命にやる、というのは、自己満足に過ぎないということに気がつきました。前回記載した話でいうところの、自分自身に仕事をフォーカスしているということになります。

仕事は、研究開発であれなんであれ、成果を上げなければなりません。まじめにやっていたかどうかは、全く関係ありません。まじめに、一生懸命やるというのは、プロ(給与をもらっている)として当然のことですが、結果がすべてです。

厳しい表現ですが、結果がすべてという認識に立って、何をすべきか? とういことをよく考えなければなりません。


上手くいかなかった場合、なぜ上手くいかなかったのかというのを考えれば、次には、あるいはその次には成功するはずです。


・・・・・私自身新しいテーマの立ち上げを進めており苦戦しています。一方で現行の商品開発も並行して進めているので辛いです。何をすべきか?ということをよくよく考えた上で、ベストを尽くせば後悔なく進めることができると思っています。そして、その経験が次の開発の知見となるはずです。good

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